経営について 財務 貸借対照表

貸借対照表ってどうやって読むの?<応用編①>

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BSを基に企業の健康状態を④つに分類する

前回はBSの基礎知識についてお話をいたしました。

ところで、BSをしっかりと理解することの本当の意味とは一体なんでしょうか?

実はBSは、我々が時々受ける健康診断の結果を示したものと言い換えることができます。BSに記載されている数値から、その企業の健康状態を知ることができるのです。そして企業の健康状態は次の4つに分類することができます。

① 債務超過

② 自転車操業

③ 安定経営

④ 優良企業

BSの数値を見ながら、現在自分の企業が5つのどの状態にあるかを判断(現状把握)し、どのようにすれば優良企業になることができるのか(未来想像)を考える必要があります。この健康状態は、人間の体と同様で、いきなり改善するものではありません。債務超過企業がいきなり優良企業になることなど、奇跡が起きない限り不可能です。一歩一歩進んでいく必要があります。

① 債務超過(自己資本比率 < 0)

債務超過法人とは、負債=他人資本の総額が資産総額を上回っている状態を意味しています。これは、手持ちの資産を全て売却したとしても、負債を返済することができない状態を意味しています。BS上は自己資本がマイナスになっていることが特徴です。よってこの状態では、

自己資本比率= 自己資本 / 総資産 < 0

が成り立ちます。これが、企業が債務超過であるかどうかの判断基準になります。

この状態を抜け出すには、自己資本を増やしそのマイナス分を取り返す必要があります。そのためには、自己資本を追加で入れるか、該当期の純利益を増やすことが考えられます。また、そもそもの負債を減らす(負債の一部を株式と交換する)ことも一つの作戦です。いずれにしろ、非常に厳しい状態と言えます。

無駄な事業から撤退し、可能な限り利益を集め、自己資本比率を高める必要があります。

教科書的には、自己資本比率 ≧ 0.3、が健全な企業の指標の一つであると言われています。

② 自転車操業(自己資本比率>0 かつ 流動比率 < 1.0)

債務超過を解消した後、次に超えるべき壁は手持ちの現金もしくはすぐに現金化できる資本を蓄えることです。その指標には以下の式を用います。

流動比率 = 流動資産 / 流動負債

この流動比率が1より小さい場合、1年以内に返済しなければならない負債が1年以内に現金化できる資産を上回っているため、資産から生まれたお金を、すぐに返済に回さなければならない状況にあります。

この状態をにある企業は、売上しか見ていない、規模を拡大することしか考えていない、といった特徴を持っています。売上を伸ばすためにそれ以上のコストがかかってしまう、規模を拡大するためにコストがどんどん肥大している、このようにコスト管理ができていないことが問題です。コストで一番の問題になるのが固定費です。特に人件費が問題になります。いくら売上を高めても経費としてジャンジャン使ってしまえば、利益は増えず、自己資本も増えません。その結果負債ばかりが増えていきます。いつの日か売上の伸びが止まった時が最後、債務超過法人の仲間入りです。

このようにならないためにも、高コスト体質を見直し、借入金の返済を先行して行うようにする必要があります。

➡︎ 応用編②に続く

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