組織を崩壊させないためにルールを決める。
組織のルールを決めるとは、組織をまとめるための戦術を意味します。
組織が目指すべき目的を設定した上で、次に大切はことは、その組織を運営していくために守るべきルールを作ることです。
ここで組織のメンバー1人1人が船と仮定し、組織全体で一つの船団を組み目的地を目指す時のことを例にして、目的とルールの関係を考えてみましょう。
目的とは、航海でいうとその船団が目指す目的地を意味します。
ルールとは、コンパスや六分儀に相当するもので、目的地を目指す際に組織が進むべき方向を示すものです。
この時、それぞれの船がコンパスや六分儀を持たない場合、一体どんなことが起こるでしょうか。
おそらく、それぞれの船がバラバラな動きをしだし、船団としてのまとまりを保つことはできなくなるでしょう。場合によっては船同士がぶつかってしまい、沈没する船も出るでしょうし、目的地の方向を見失い、全く関係のない方向に進む船も出てくることでしょう。こうなってしまうと、船団として成り立つことが不可能になってしまいます。
つまりルールとは、組織を崩壊させず、目指すべき目的地へたどり着くための道筋を示すものを意味します。
ルールがみたすべき3つの条件
この役割を果たすために、組織のルールは以下のつの条件を満たさなければなりません。
1つ目は、ルールの範囲内では自由に行動することが許されていること。
2つ目は、ルールを守らなければならない強制力があること。
3つ目は、ルールを守る限り安全な環境が保証されること。
当院を例に、目的とルールについてまとめてみます。
組織の目的とは、当院で言えば『使命』や『理想像』に当たるものです。
当院の使命については、
を掲げております。また理想像については、
『正しい医療を提供し、皆さんが笑顔・元気・健康になる、また行きたくなる楽しい医院』
を掲げております。
組織のルールとは、当院で言えば『行動指針』に当たるものです。理想像に近づくための行動指針として、
1) 正しい医療を提供するための4つのS:Safety:安全, Smile:笑顔, Skill:技術, Speed:速度
2) 楽しい職場を作るための4つの行動:態度を選ぶ、遊ぶ、相手を喜ばせる、注意を向ける
3) 私たちが大切にする7つの人間性:誠実である、明るい、認め合える、高め合える、喜び合える、笑い合える、助け合える
4) 良質なサービスを提供するための3つの仕組み:数字化する、イノベーションを起こす、マニュアル化する
の4つを掲げており、この行動指針は人事評価と連動させることで、組織内で強制力を持たせております。
この目的とルールという両輪があることで、組織という乗り物は正しい方向へ進むことができます。