4つのS
前回お話した4つの行動指針の1つである『4つのS』。
これは、他の業種と異なり、医療のみ存在する特徴のために策定しております。それは、『サービスの一環として患者さんに危害を加える時がある』ということです。
通常の業種では絶対に考えられないことですが、医療では毎日のように生じていることです。
例えば、痛みを取るために点滴をする。点滴をするために、点滴用の針を体に刺すという危害を加えなければなりません。
このように、サービスを提供する一環で患者さんに危害を加えなければなりません。
そのために、当院では絶対に守らなければならないルールを4つのSとしてまとめております。
1) Safety:安全
患者さんの安全を確保することは何よりも優先されるべきことです。
安全が確保されなければ、そもそも医療というサービスを提供することはできません。
2) Smile:笑顔
患者さんに危険を伴う処置を行う際に、患者さんの不安を和らげるべく、笑顔で接する必要があります。
またこの笑顔とは、処置を行う側にも心にゆとりを持って落ち着いた気持ちで処置を行う、という考えも含まれております。
そもそも自分の行動に余裕を持てなければ、患者さんもそれを敏感に感じ取り、不安を増強させてしまうきっかけになります。
3) Skill:技術
先ほどの笑顔や余裕を持つためにも、自分の行う処置に対して自信を持たなければなりません。
そのためには技術の習得が必要です。
患者さんの体に侵襲的は処置を行う上で、技術の習得は言うまでもなく、また、技術の習得無くして、笑顔も安全も提供することができません。
4) Speed:速度
ある程度技術が成長したのであれば、そこに迅速さを加えるこそ、プロとしてあるべき姿です。
正確かつ迅速に医療を提供できるように、常に自身を高めていく必要があります。
また、医院全体としてサービス提供の速度をあげることも、良い医療を提供する上で大切なことです。
安全を確保し、落ち着いた気持ちで、正確で迅速な医療を提供する。
これら4つのSは、その順番も非常に大切です。
安全の確保ができていないのに落ち着いている場合ではないですし、正確な医療を提供できないのに急いでいる場合ではありません。
これら4つのSを実践することで正しい医療が提供できると考えております。