整形外科疾患について 骨粗鬆症

骨粗鬆症の骨代謝マーカーとは?

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骨粗鬆の診療時に、骨密度と一緒に検査することが多い骨代謝マーカー。

今回は、この骨代謝マーカーについて説明いたします。

今回の10秒まとめ。

① 骨粗鬆症は、骨形成が低下し、骨吸収が亢進すると生じる。

② 骨代謝マーカーとは、骨代謝の結果作られる物質であり、骨代謝の程度の指標となる物質。

③ 骨代謝マーカーを調べることで、骨粗鬆症になるリクスや骨折リスクを知ることができる。

④ 骨粗鬆症治療中に骨代謝マーカーを調べることで、治療効果の判定や治療継続のモチベーションに繋がる。

⑤ 骨代謝マーカーには、(1)骨形成マーカー、(2)骨吸収マーカー、(3)骨質マーカーの3種類がある。

⑥ 治療薬作用機序に応じて計測する骨代謝マーカーを選択する。

骨代謝マーカーとは?

以前、「骨を作る働き(骨形成)が低下し、骨を壊す働き(骨吸収)が盛んになるため骨粗鬆症が生じる」というお話をいたしました。

(詳しくは骨粗鬆症ってどんな病気なの?をお読みください。)

骨粗鬆症ってどんな病気なの?

骨吸収と骨代謝は合わせて骨代謝と呼ばれます。

骨代謝ががどの程度体の中で行われているのかを知ることは、骨粗鬆症の程度や今後の進行を知る上で非常に大切なことです。

骨吸収や骨形成の過程で様々な物質が作られ、血中に流れ出ます。

この物質の量を計測することで、骨吸収・骨形成の程度を知ることができます。

この物質が骨代謝マーカーと呼ばれるものです。

骨代謝マーカーを調べる目的は?

骨代謝マーカーを調べる目的には以下の5つが挙げられます。

① 骨密度の低下を予測する。

骨代謝マーカーの上昇と骨密度の低下には負の相関があると、複数の研究結果が報告しております。

つまり、マーカーが上昇すると骨密度が低下する可能性があるということができます。

② 骨折の発症リスクを予測する。

骨折予測因子(骨折しやすいかどうかに関わる要因)には、年齢、骨密度、既存骨折の有無、が独立した因子として挙げられます。

つまり、年齢が高くなればなるほど骨折しやすくなる、同年齢でも骨密度が高い方は骨折しやすい、ということができます。

そして、骨代謝マーカーも(特に女性では)独立した骨折予測因子です。

つまり、骨代謝マーカーの上昇は、骨折リスクを上げることになります。

③ 治療効果を調べる。

実際の臨床で骨代謝マーカーを測定する一番の目的は治療効果判定、つまり、現在使用中の薬剤が本当に効いているのかどうかを調べることです。

例えば、亢進した骨吸収を抑制する治療を検討した場合、治療前の骨吸収マーカーの値がどの程度で、治療開始後にその値は正常範囲内に低下したのか、などの検討に用います。

④ 患者さんの治療継続に繋がる。

骨粗鬆症の治療において、骨代謝マーカー計測も同時に行いその結果を患者さんにフィードバックすると、特にマーカーが低下した人(=治療効果が出ている人)では、しっかりと治療を継続してくれる患者さんが増えるという報告があります。

また、しっかりと治療を継続することで骨折予防に繋がり、入院・手術加療がが減るため医療費削減効果もあると言われています。

⑤ 休薬後の経過を観る。

治療が効果を発揮し、一時期的に内服などの治療を中止する場合があります。その際に骨代謝マーカーを定期的に計測することで、正常範囲を超えた場合に治療を再開するなどの指標として利用することもあります。

どんな種類があるの?

骨代謝マーカーには以下の3つの種類があります。

① 骨形成マーカー

骨形成で中心的な働きをする骨芽細胞と呼ばれる細胞が作り出す物質です。

代表的なものに、OC 、BAP、P1NP、と呼ばれる物質があります。

② 骨吸収マーカー

骨吸収で中心的な働きをする破骨細胞と呼ばれる細胞が作り出す物質、もしくは破骨細胞が骨を破壊するときに作り出される物質です。

代表的なものに、NTX 、TRACP-5b、と呼ばれる物質があります。

③ 骨質マーカー

骨の強さには、骨密度だけでなく骨質も関係しています。

特にビタミンKの欠乏は骨質に悪影響を与え、その結果ucOCという物質の血中濃度が上がります。

治療薬の選択と骨代謝マーカー

選択する治療薬の特徴に合わせて、計測すべきマーカーを選択します。

例えば、

骨吸収を抑制する治療薬 ➡︎ 骨吸収マーカー

骨形成を促進する治療薬 ➡︎ 骨形成マーカー

骨質を改善する治療薬 ➡︎ 骨質マーカー

のように計測を行なっています。

漫然と治療を行うのではなく、その治療を行う意味や効果を考えながら治療を行うことが正しい姿勢だと考えております。

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