組織図は、自分の立ち位置を確認するための地図。
組織図を作るとは、従業員それぞれの役割を明確にするための戦術といえます。
『目的を持つこと』と『ルールを作ること』は組織を正しい方向に進めるための両輪というお話を前回いたしました。
次に大切はことは、組織図作ることです。
なぜ組織図を作ることが大切なのでしょうか?それは、組織図とは組織全体の動きや仕事を俯瞰することができる『魔法の地図』だからです。
例えば、新しい大型ショッピングモールに行った時のことを想像してください。まずみなさんは何をしますか?おそらく、そのショッピングモールの地図を探すのではないでしょうか。そして、自分が今どこに居るのかを確認するのではないでしょうか。
大型の地図を目の前にして『現在地』や『you are here.』の表示を見た時、なんだかホッとした気分になりませんか。
人間は、今自分がいる環境や状況について、物理的に、もしくは心理的に自分の置かれている状況を確認できないと不安を感じる生き物です。自分の存在を脅かすであろう存在や味方の位置を確認しておくことで、自分の身に降りかかる危険を想像することができるようになります。想像できれば、その存在に対して恐怖を感じることはあるかもしれませんが、何が起こるかわからない不安から解消されます。
人間は、不安を感じたままでは正常な判断ができず、無駄な動きをしてしまう生き物です。組織図があれば、組織内のメンバーが自分の置かれた環境と自分の立ち位置を確認することができます。組織図とはまさに、人間が根源的に感じる不安を解消してくれる魔法の地図です。
組織図に必要な条件
組織図は以下の条件を満たす必要があります。
① その組織にはどのような機能があるか分かる。
その組織にどのような働きがあるか一目でわかるような組織図でなければなりません。
② それがどう実行されているか分かる。
そして、それらの機能がどのように繋がっているのか明確でなければなりません。
③ それぞれの仕事の責任と権限がどこにあるか分かる。
それぞれの機能の意思決定者は誰なのか、どこなのかを明確にする必要があります。
④ それぞれの機能の優先順位がわかる。
機能に優先順位をつけることは、その組織の意思表示でもあります。その機能を重要視しているのかを明確に示せるような組織図を作る必要があります。
組織のサイズに関係なく、組織図を作る。
組織図を持つことは、その組織のサイズに関わらず非常に大切なことです。なぜならば、上のような条件を満たす組織図を持つことで、その組織の持つ働きが明確になるからです。では、組織の持つ働きが明確になると、どのようなメリットがあるのでしょうか?次のような3つのメリットが挙げられます。
まず、仕事の内容が個人に依存せず、部署に依存することができます。その結果、その部署内で欠員が出ても、個人に仕事が依存しないので仕事を回すことができます。
また、部署に仕事が依存するので、その部署内のメンバーの仕事内容が明確になります。個人の仕事内容が明確であれば、人事評価も行いやすくなります。
最後に、部署の仕事に応じたマニュアルを作成することができます。マニュアルを作成できれば、どんな人でも非凡な存在になることができます。
これら3つのメリットは9つの戦術のうちの、『戦術④:職務契約書を作る』、『戦術⑤:人事評価制度を整備する』、『戦術⑧:マニュアルを作成する』につながります。