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5C分析:Collaborator

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サービスフロー全体でwin-winの関係を作る。

Collaboratorとは敵でもあり味方でもある存在のことを意味しております。流通を例に考えると、商品が製造され自社に届くまで、そして、その商品が最終的に消費者の手元に届くまでに、多くの中間顧客が存在します。Collaboratorとは、この中間顧客を意味しております。

医院を例に挙げれば、院内で使用する薬剤は薬剤の卸から購入しますし、その卸も最終的には製薬会社から薬剤を購入しています。そして、処方した薬剤の効果を患者さんが実感するためには、患者さんに院外薬局で薬剤を購入してもらう必要があります。

つまり、自社の商品・サービスを正確に理解するためには、そのサービスフローの川上にある企業から川下にある企業まで、サービスフロー全体を理解する必要があるのです。そして、その企業一つ一つも業界での生き残りをかけて真剣に戦っています。そのため、これらの企業は時に仲間として、そして時に敵として振舞うこともあり得るのです。だからこそ、それらの企業の利益を生む仕組みをしっかりと理解し、win-winの関係を作りより多くの企業を味方につけることが、自社・自院が戦場で生き残る確率を高めるのです。

事業の2形態

サービスフローを理解するときに、中間顧客たちの事業形態について理解しておくと、相手とwin-winの関係になるためのポイントが見えてきます。

事業形態を理解するというと難しいように感じますが、実は、世の中の事業は、大きく次の二つに分類することができるのです。

1) 見込み事業:コンビニや百貨店など

商品やサービスが売れるという『見込み』ですぐに提供できる状態しておく事業。この事業では、商品・サービスの質が全てを握っています。購入見込みの高い商品・サービスをどれだけ取り揃えるかが生き残りのカギになります。

2) 受注事業:建設業、レストランなど

顧客から依頼があってから商品・サービスを組み上げ提供する事業。この事業では、顧客が全てを握っています。顧客のニーズにあった商品・サービスを常に提供できるかが生き残りのカギになります。

全ての事業に見込事業と受注事業が混ざり合って存在している。

全ての事業がこの2つの事業のどちらかであるという二原論ではありません。一つの事業の中に、割合の差こそあれ、この2つの事業の特徴が存在しています。

例えば当院の例では、多くの患者さんに来ていただけるという見込みで、広いリハビリ室やMRIなどの高価な医療機器を設置しております。この点で言えば見込み事業の要素を感じます。しかし医療は、特に診療所レベルの医療機関では、繰り返し患者さんに受診していただけるような信頼を獲得していく必要があります。よって私は、医療は受注事業の色が濃い事業だと考えております。医療も選ばレル時代です。患者さんに繰り返し受診していただけるような環境を作ることが、これからの医院経営に求められる姿勢です。

コラボレーターと力を合わせる

見込み事業であれ受注事業であれ、商品・サービスを提供するまでに、その商品そのものや材料を他社から購入する必要があります。また、自社・自院の商品・サービスが実際提供されるまでに、他社の力を借りることがあります。それぞれの強み・弱みを理解し合い、win-winの関係を作り上げ、最終的に自社の生存確率を高めていきましょう。

 

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