経営について 財務

経営に必要な3つ目の力:財務力

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戦略的な組織作りとマーケティング

これまで、これからの医院経営ベースに経営で必要な力として、戦略的組織づくりと戦略的マーケティングについてお話をしてきました。これまでの内容を簡単にまとめてみます。

戦略的な組織づくりとは、『単に人の集合である「集団」を、ある目的に向かって全員で進んでいく「組織」、に生まれ変わらせるための仕組みづくり』だというお話をいたしました。そのためには、『なぜこの組織が作られたのか』という目的『何を目指すのか』という理想像を掲げ、この理想像に達するためには『具体的にどのような行動をとるべきか』という行動指針を明確にすることが必要である、というお話をいたしました。

また、戦略的なマーケティングとは、『組織が生き残っていくために商品・サービスが売れる、そして、売れづづけるための仕組みづくり』だというお話もいたしました。組織とは達成すべき目的を持った集団である以上、その目的を達成するために生き残らなければらないのです。そのために『不敗』、つまり、立ち直れないほど負けてはいけません。そのためにはどうするべきか。答えは『敵を知り、己を知ること』です。つまり、敵を含めた自身を取り囲む外部環境と自身の状態である内部環境を理解し、変えられないものは受け入れ、変えられるものを変化させ適応していく力が必要です。この考えに基づき、Researchを行なって市場構造を把握し、Segmentationで市場内のニーズの勾配を嗅ぎ分け、Targetingにて戦う戦場と戦略ターゲットを定め、Positioningで自社・自院の商品・サービスがターゲットから選ばれる必然性を作る、RSTPという戦略についてもお話いたしました。繰り返しますが、この戦略的組織づくりと戦略的マーケティングは、事業の規模に関わらず、全ての事業経営にとって欠かせないことです。

今まで医療業界は、この2つを意識しなくてもうまく行った非常に恵まれた環境でした。そして多くの医院経営者は、この恵まれた環境で経営を行ってきたのでたまたまうまく行っただけにもかかわらず、さも自身の経営手腕が優れていたからうまくいったのだと言わんばかりに、いい加減なアドバイスをする傾向があります。

確かに、昔は良かったかもしれません。でも今は違います。しっかりと時勢を読み、自分の状況を確認し、自身の進むべき方向を見定める必要があります。

多くの経営者が一番苦手なもの。それは財務状況をみる力。

この自身の状況を確認し進むべき方向を見定める上で、とても大切な力があります。この力はは医者を含め多くの経営者が最も苦手としているものでもあります。それが、財務状況を見る力です。多くの医院では財務状況の判断を会計士や税理士さん、もしくは事務長に任せ「きり」にしてしまいます。別に任せてもいいのですが、任せ「きり」はダメです。

この違いはどこにあるのでしょうか?

違いは、自分自分に債務状況を判断する力があるかないかです。判断する力がないので、任せきりにしてしまいます。その結果、組織の血液であるはずの財務を自ら手放してしまっているのです。財務状況を判断する力、つまり財務力があれば、その上で他人に任せても、問題があれば適切に対処することができるのです。

財務力とは、現状を理解し、未来を想像する力のこと。

財務力と聞くと難しく感じますが、細かい知識など必要ありません。必要な知識は2つだけです。

1つは、貸借対照表(PS)を理解することで現在の財産がどうなっているのかを理解できる知識です。その知識をもとに、未来の貸借対照表を想像することができる力を養います。

もう1つは、損益計算書(BS)を理解することで単年度に経営状況を理解できる知識です。この知識を使って、未来の損益計算書を創造し、それに応じて内部留保をどの程度残すかという観点から、各年度に必要な売り上げを算出する力を養うことができます。

つまり財務力とは、『PSとBSから現状を理解し、未来を想像する力』と言えます。財務を他人に任せきりにするといことは、未来を想像する力を放棄したということに他ならないのです。

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